ひとはだの効能
「香澄さんの会社ってメインで取り扱ってるのは厨房機器でしょ。それが、こんなことまでやってるの?」

 画面から顔を上げ、驚いて香澄さんの顔を見る。

「うん、私たちの商売は機器を売って終わり、じゃないからね。機器全般のことだけに留まらず万全のサポート体制を整えてるの。それに、こういったアフターケアから新たなビジネスチャンスが生まれることだってあるのよ」

 そう言った香澄さんの顔はとても誇らしげで、同時にこれまで築き上げてきたキャリアへの自信も窺わせた。

 プライベートで見せるリラックスした表情とはまた違い、その表情からは仕事人としての厳しさも垣間見える。

 ……ちくしょう、格好いいな香澄さん。

 そんな香澄さんを前に、俺は胸の奥が痺れるような感覚を味わっていた。
< 69 / 147 >

この作品をシェア

pagetop