ひとはだの効能
 組み立てたクリスマスツリーの枝には、先のほうにうっすらと雪が積もっている。そこにまず、レッドとゴールドのグリッターボールのオーナメントを取りつけた。

「やばい! これだけでもすでに可愛い」

 出来上がりつつあるツリーを眺め、香澄さんがため息をついた。心持ち首を傾げ、うっとりとした表情を浮かべてるのが可愛い。思わず笑みが零れた。

 閉店後の薄暗い店の中、一か所だけ点けたスポットライトに照らされ、オーナメントがキラキラと輝いている。

「これ以上はいらないかも。シンプルなほうが、お店のイメージに合ってる」
「そうだね。あとはトップスターとライトを付けるだけにしよう」

 繊細な透かし彫りの入ったトップスターをツリーのてっぺんに着け、小さなLEDの電球が連なったワイヤーを垂らす。

 とうとうツリーが完成した。
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