ひとはだの効能
「クリスマス限定メニューをやろうかなって考えてるんだよね。そしたら莉乃ちゃんも来る? ……葉月くんと一緒に」
「……えっ、葉月!?」

 葉月くんの名前を聞くと、莉乃ちゃんは一瞬で顔を赤くした。……あっという間に耳まで赤くなる。

 互いに想いをこじらせているらしい幼馴染み同士を、なんとかくっつけてやろうと決意して数週間。どうしたわけか、葉月くんはなかなか姿を見せない。

 一向にアクションを起こそうとしない葉月くんに、ちょっとイラついたりもしてたけど、向こうが何もアクションを起こさないなら、こっちから起こせばいいんだ。

 ……この時季、とっておきのイベントを利用しない手はないよな、と思いつく。

「うん。誘ってみたら?」
「で、でも……」

 葉月くんのこととなると自信がなくなるのか、どうしても莉乃ちゃんは尻込みしてしまう。

 どうにかして背中を押せないかと言葉を選んでいると、店の外でアルが激しく吠える声がした。
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