ひとはだの効能
「ありがとうございました」
今日最後のランチ客である高校生カップルを店の外まで見送る。
手を繋いで幸せそうに見つめ合う二人を微笑ましく眺め、そっとドアを閉じた。
香澄さんは、今どうしてるだろう。
無理に笑っていないだろうか。
ふとした時に頭に過《よぎ》るのは、胸の痛みを堪え、つらそうな笑顔を浮かべる香澄さんの姿。
店内の時計を見上げると、時刻はもうすぐ、午後三時。
香澄さんは挙式から出席する予定だと聞いている。
会場は横浜。幸いと言っていいのか……店内に客はいない。
「……くそっ」
エプロンの紐を解き、店の奥に置いていた財布とダウンコートを掴む。
一時間ほど不在にする旨を書いたメモをドアに貼り付け、俺は店を飛び出した。
今日最後のランチ客である高校生カップルを店の外まで見送る。
手を繋いで幸せそうに見つめ合う二人を微笑ましく眺め、そっとドアを閉じた。
香澄さんは、今どうしてるだろう。
無理に笑っていないだろうか。
ふとした時に頭に過《よぎ》るのは、胸の痛みを堪え、つらそうな笑顔を浮かべる香澄さんの姿。
店内の時計を見上げると、時刻はもうすぐ、午後三時。
香澄さんは挙式から出席する予定だと聞いている。
会場は横浜。幸いと言っていいのか……店内に客はいない。
「……くそっ」
エプロンの紐を解き、店の奥に置いていた財布とダウンコートを掴む。
一時間ほど不在にする旨を書いたメモをドアに貼り付け、俺は店を飛び出した。