結論、保護欲高めの社長は甘い狼である。
「なななんで、なんでこんなの見せるわけ!?」

「あんた研究好きじゃない。こっちも勉強しといたほうがいいわよ。来週社長さんとこんなふうになったらどうすんの」

「ならないから!」


そんなの幽霊どころじゃない。明日地球がブラックホールに吸い込まれるくらいありえないわ!

両手で目隠しして悶える私に、紫乃ねえは呆れ混じりの声で自論を説く。


「男と女ってのはね、なにがあるかわかんないの。綺代みたいに理性的に相手を分析して、正当な段階踏んで恋愛してる人ばっかじゃないのよ。雰囲気に流されて、そっから恋愛に発展することもあるわけ」

「だからって、これを見て研究するのはなんか違う気が……」


拒否反応を起こしつつも、さっきから響いている女性の声が気になって仕方なく、指の隙間からちらりと見てみる。

どうやら車内でいかがわしいことをしているようだけど、男性に絡みつく女性はとってもセクシーな表情で頬を紅潮させている。

そ、そんなに気持ちいいものなんですかね……。こういうことに興味がないわけではないから、正直体験してみたい気はある。

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