結論、保護欲高めの社長は甘い狼である。
ここに来るまでにかいつまんで話したため、隣に座る咲子ちゃんはさっきからふにゃふにゃの笑顔になっている。


「びっくりでしたよ。まさか恋人だけじゃなくて、婚約者になっただなんて! うらやましーい」

「私も死ぬかと思ったわよ……」


あのサプライズには完全にやられた。

ああいう色気のあるものに関しての知識は疎いから知らなかったのだけど、あれはフラワージュエリーというのだそう。

花はいつまでも枯れないプリザーブドフラワーだから飾っておけるし、ダイヤは指輪やネックレスなどの好きなアクセサリーに加工できる。

達樹さんは私の指のサイズを知らなかったため、あの方法にしたらしい。なにからなにまで完璧だ。

恋人同士になった直後にプロポーズされるだなんて、普通は引いてしまうのかもしれないが、まったくそんな気にならない私は相当彼に惚れ込んでいるようだ。

そして、結婚の約束をしてまで私を繋ぎ止めておこうとする彼も同じ、だと思いたい。

「指輪ができたら見せてくださいね」と言う咲子ちゃんに微笑んで頷き、いつか愛の証が輝くことを想像して、つい左の薬指を眺めてしまった。

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