彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
金曜日。
イケメンシェフのいる人気のレストラン。
時間は八時前。
予約だっていっぱいだろうし、満席が当然で。
急に不安になって主任に聞いてみる。
「あの、今日急にくることを決めて大丈夫だったんでしょうか?」
「一テーブルぐらいなんとかするでしょう。朔也ですから」
オーナーだし、そうなんだろうけど。
主任はお店のスタッフに自分の名前を告げると
「堂地さま、お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
「いきますよ?天ヶ瀬さん」
慌てて主任の後についていく私。
主任は大人で、キリッとパリッとしてるからこういうところも慣れてるだろうけど、私は……。
周りを見れば圧倒的に女性客が多くて、みんなおしゃれな服装。
私みたいに営業帰りですみたいな人なんていない。
せっかくおいしいもの食べるんだし、やっぱりもうちょっとおしゃれだってしてきたかったな。
「お食事の前にお飲み物はいかがですか?」
「ではアペリティーヴォを」
「畏まりました」というとそのままスタッフの人は奥へと下がった。
アペリティーヴォっていう飲み物があるんだ。へーなんて思いながらやっぱりここでも何が出てくるか妄想タイム。
いつのまにか目の前に小さなグラスが置かれていて。
くんくんと犬のように匂いをかいで見るとなにやら甘い香りで。
「なんだかおいしそうな飲み物ですね」
「天ヶ瀬さん。犬、みたいですね……」
いや、だって何かわかんないものはとりあえずにおってみるでしょう?
液体だし、見た目だけではわかんないし。
とろっとしてちょっと甘くておばあちゃんの作ってくれる梅酒みたいな感じ。
「甘くておいしいです」
ニッコリと微笑んでまた口をつける。
「それはこれからの食事をおいしくさせる飲み物です」
「そうなんですね」
何かよくわかんないけど、おいしい。
まさかこれ食前酒なんて誰も教えてくれなかった。
ていうか、知らなかった私がいけないのかな?
イケメンシェフのいる人気のレストラン。
時間は八時前。
予約だっていっぱいだろうし、満席が当然で。
急に不安になって主任に聞いてみる。
「あの、今日急にくることを決めて大丈夫だったんでしょうか?」
「一テーブルぐらいなんとかするでしょう。朔也ですから」
オーナーだし、そうなんだろうけど。
主任はお店のスタッフに自分の名前を告げると
「堂地さま、お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
「いきますよ?天ヶ瀬さん」
慌てて主任の後についていく私。
主任は大人で、キリッとパリッとしてるからこういうところも慣れてるだろうけど、私は……。
周りを見れば圧倒的に女性客が多くて、みんなおしゃれな服装。
私みたいに営業帰りですみたいな人なんていない。
せっかくおいしいもの食べるんだし、やっぱりもうちょっとおしゃれだってしてきたかったな。
「お食事の前にお飲み物はいかがですか?」
「ではアペリティーヴォを」
「畏まりました」というとそのままスタッフの人は奥へと下がった。
アペリティーヴォっていう飲み物があるんだ。へーなんて思いながらやっぱりここでも何が出てくるか妄想タイム。
いつのまにか目の前に小さなグラスが置かれていて。
くんくんと犬のように匂いをかいで見るとなにやら甘い香りで。
「なんだかおいしそうな飲み物ですね」
「天ヶ瀬さん。犬、みたいですね……」
いや、だって何かわかんないものはとりあえずにおってみるでしょう?
液体だし、見た目だけではわかんないし。
とろっとしてちょっと甘くておばあちゃんの作ってくれる梅酒みたいな感じ。
「甘くておいしいです」
ニッコリと微笑んでまた口をつける。
「それはこれからの食事をおいしくさせる飲み物です」
「そうなんですね」
何かよくわかんないけど、おいしい。
まさかこれ食前酒なんて誰も教えてくれなかった。
ていうか、知らなかった私がいけないのかな?