夢を追え!!

「っな、な…」

顔を真っ赤にさせて口をパクパクさせる。

あはは、かわいい。相変わらず意地っ張りというか、甘えベタ。

素直に甘えてくればいいのに。

「青羽…」

「黙っててあげるから、着替えておいで」

「ほんとに?」

「ほんと」

絶対だからねと言いながらいそいそと自分の部屋に向かうゆき。

ドアが閉まるのを見送ったあと、ため息をつく。

「なんで俺を起こさねぇ」

「いや、狸寝入りしてたし。直矢がゆきを起こすと怒らせるだろ」

狸寝入りの直矢が不機嫌そうに起き上がる。

おまけにルトも起きてゆきの後をついていく。

ルトの方がゆきの心分かってるんじゃないか?このバカな兄貴より。

「なんだよ」

「いーや、直矢は鈍いなって」

「はぁ?」

心底分からないと言わんばかりの顔。

これは今後しばらくこのすれ違い兄妹はこのままらしい。
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