夢を追え!!

「あーあ、ゆき可哀想」

「はぁ?」

ドアが開くとともに、気まずそうなゆきが部屋から出てくる。

睨まれるけど、なんにも言ってないんだけどなぁ。

「ゆき、ごはん何食べる?」

「青羽は?」

「んー、ホットサンド作ろうかなー」

「オレ卵がいい」

「はいはい。直矢は?」

「青羽と同じでいい」

隣に来たゆきはじっと手元を見に来る。

直矢とゆきには料理はさせない。後片付けも極力させない。

甘やかしてるとかじゃなくて、後始末が本当に面倒だから。やらないで大人しく座っててくれたほうが、仕事が最小限で済む。

手伝おうとはしてくれるけど、本当にやらないでほしい。

「ゆき、触っちゃだめだよ」

「卵くらいなら混ぜれる」

「とか言いながらこぼしただろ」

本当に大人しくしてて。
< 296 / 383 >

この作品をシェア

pagetop