またあう日まで



その自習の時間は、校内案内や高等部・初等部の見学、校庭の見回りなどをした。

山に囲まれてる学校ということもあって、人数も200人程しかいないらしい。
なのに敷地はことり町の半分も占めるという。

ことり町はこの学校の為にあると言っても過言ではない。












「………………………隆兄ぃ〜〜〜〜〜〜!!!!!!」

「わーーー!!!ご、ごめんごめん!!!てっきり言ってたつもりだったんだよ!!!お前も聞かなかったし…!!」

「私のせいなの!?ってゆーか、の、能力って何!!?るなって何!!?私何も聞いてないよ!?ちゃんと説明して!!!」


帰宅後、早速仕事でクタクタの隆兄に問いつめる。
こんな勢いだけで会話をしたのは初めてかもしれない。

でもそれぐらい焦るのも当たり前でしょ……

「分かった分かった、説明!!説明すっから!………後5分寝かせ…」
「させるかーーーー!!今すぐ説明しろぉーーーっ!!!!」

馬の尻ごとく兄の尻を叩くと、渋々ながらやっと話してくれた。





____国立能力育成総合学校。
通称、"能育(ノウイク)"。
高等部・中等部・初等部の3つに分かれていて、初等部には7歳から入れて、高等部は20歳で卒業出来る。
この学校の特徴は、もちろん"月"と呼ばれる魔法のような能力を持った人しか入れない、ということ。

しかも、その月について、自分がどんなものを持っているのか学校側は何も教えてくれないという。
でも大体皆、空を飛んだり心が読めたりという分かりやすい月だから、ある程度は自覚しているらしい。



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