またあう日まで



「……それって
私もその"月"っていう力を持ってる………ってこと?」

「あれ、それも言ってなかったっけ。………まあそういうことだ。」

はぁ……
いい加減な兄を持つと、妹は苦労するわ……

「……信じられない、けど…いや、うーん………だってそんな……魔法みたいな………そんなこと現実に……あるはずないし……」

ぶつぶつと自分でも何言ってるのか分からない。
いきなり知らない町に来て、変な力を持つ子が集まる学校に入れられて、はい貴方も月持ってますよーー、なんて、気が狂いそうなくらい考えてみたって、なかなか受け止められない。

逆に何で隆兄は普通に説明出来るんだろう…

「…じゃあ、私はどんな月を持ってるの?」

「それはー……秘密だ。」

「……隆兄は、私の月知ってるんだね…」

「まぁ、お前が小さい時から……な。」

そ、そんな前から!?

今までそんな力使ったりしたことないはず…

次から次に出てくる隆兄の発言に、混乱しまくる私。

「まあまあ、言ってなかったのはわりぃ!けど普通にしてたら、何とかなるから。大丈ーー夫っ!な?」

「いやいやいや、簡単に言い過ぎでしょ!?そ、そんな話急にされて普通になんて出来るか!」

「沙華には出来るって俺は信じてるぜ!」

「嘘つけ」

ベシンと頭を叩くと、隆兄は「ギャッ」と声を出した。

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