君を愛していいのは俺だけ

 じっと見つめてくる彼の瞳に、答えを探す。

 大好きな彼は、七年経って一層素敵な男性になったと改めて気づかされる。
 揺るがない視線の強さや口角が上がっている唇も、カシミアコートを着こなす背丈も。
 仕事に妥協せず、社員を大切にしてくれるところも。

 私と過ごした日々を、覚えていてくれたことも。


 ――好き。大好きです。

 心の中で呟く想いは声になることなく、身体の中で反響して鼓動の速さを後押しする。


 なかなか答えてくれない彼と見つめあったままでいると、先に彼が微笑みに照れを浮かべた。


「デートだよ。仁香とデートがしたかったんだ」

 差し出された彼の手に、指先が触れる。

 それだけで全身に電流が走ったようで、しばらく彼の顔を見れなかった。


 ――陽太くん。今、私をどう想ってくれているの?


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