君を愛していいのは俺だけ

 ドキドキする鼓動の音ばかりが聞こえる。
 彼もマンションに着いてからはほとんど無言で、なにか話してくれたらいいのに、エレベーターの到着を隣で待っているだけ。


 降りてきた住人に会釈をしてから、彼に続いてエレベーターに乗り込んだ。
 だけど、二十八階へと向かう間も、彼は話しかけてきてくれない。


「陽太くん」
「なに?」
「どうして、家に呼んでくれたの?」
「……なんで、そんなこと聞くの?」

 聞かないと、分からないから……。
 もし、他の女性も同じように部屋に上げているなら、私は違うと伝えたいから。


「仁香だからだよ」

 その言葉を信じるなら、私は今の彼にとってそれなりに特別な存在なのかもしれない。


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