君を愛していいのは俺だけ
十五階までを一気に通過したエレベーターは、あっという間に二十八階まで私たちを運んだ。
ドアが開くと、彼は内廊下を右へ歩いていく。
私には手の届かない豪勢なホテルのような内装にキョロキョロしながら進むと、アルコーブに彼が立ってドアを開けた。
「どうぞ」
「……お邪魔します」
本当に来てよかったのかな。
今になって、後悔が押し寄せる。
彼を信じていないわけではないけれど、七年も離れていたのだから、私が知っている彼とは違っていても当然なのに……。
靴を脱いで彼についていくものの、廊下が長くて唖然としてしまった。
建物の豪勢さにも驚いていたけれど、室内も洗練された空間が広がっているようだ。