君を愛していいのは俺だけ

「荷物置いてくるから、こっちで待ってて。すぐ戻ってくる」

 廊下の先のリビングに通され、緊張しながら入っていく。
 弧を描いている大開口の窓からは、都心の景色が見える。そして、部屋を囲む眺望に圧倒されてしまって、驚きが言葉にならなかった。


「仁香、ソファにでも座ってて」
「……うん、ありがとう」

 戻ってきた彼は、手を洗ってからキッチンで飲み物を用意してくれている。
 彼がグラスをふたつ運んできて、ミルクティーを手渡してくれた。


「陽太くんは、紅茶?」
「……覚えててくれたんだ。お互い七年経っても変わってないこともあるんだな」

 隣に座った彼は、長い脚を組んで背もたれに大きく寄りかかった。


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