君を愛していいのは俺だけ

 話を聞けば、滝澤さんは桃子ちゃんを妹のようにしか思えないところもあって、だけど同期で大切な仲間だから、どう返事をするか悩んでいるらしい。
 女性として見れないわけではないけれど、社内恋愛をしたことがないから戸惑っているところもあるようだ。
 思っているままを話したらどうかと言ってみたけど、まともに恋愛してこなかった私なんかのアドバイスでいいのかな……。


「秋吉さんは、社長とどうなの?」
「私の話はいいよ。別に変わりないし」
「ふぅーん……その割に、なんか親密な感じがしたけどね」
「いつ?」
「さっき、エレベーターの中で」

 たったひと言、挨拶を交わしただけで見抜かれるなんて……。
 だけど、今日の滝澤さんはいつになく困った様子で、それだけ桃子ちゃんとの関係を大切に思っているのが伝わってきた。


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