君を愛していいのは俺だけ

 翌朝、楽しみすぎて早く目が覚めたけれど、スキンケアもメイクも念入りにできた。
 昨日のうちに決めておいた服は、アウターのノーカラーコートも主役になるよう、全身を黒でまとめた。
 レザーのパイピングやポケットが印象的なコートに、少しくすんだダスティピンクのバッグを合わせると、甘すぎずに女性らしさも出せる。


 いつもと同じ時間の電車に乗り、出社してエレベーターを待っていると、陽太くんが後からやってきた。


「おはようございます」
「おはよう」

 今日は客先と会う予定がないのか、カジュアルな格好をしている。
 お洒落な子を好んでいると聞いたのも納得がいくほど、彼のセンスは洗練されていて素敵だ。

 上品なベージュ系のチェスターコートに、グレーのタートルネックを合わせただけなのに目を引くのは、自分に似合う着こなしが分かっているからなんだろうな。


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