君を愛していいのは俺だけ

 明日も会社があるし、あまり遅くまでは起きていられない。

 自宅に着いてから、すぐにアラームのセットをして、携帯を充電した。反転した画面に通知が表示されて確認すると、陽太くんからのメッセージだった。


【ちゃんと帰れた? 送れなくてごめん。忘年会でまた話せるのを楽しみにしてるよ。ところで、仁香はクリスマスどうしてるの?】

 クリスマスの予定なんて、彼と別れてからというもの聞かれたことがない。
 学生時代から毎年、友達と集まって女子会をするのが常だった。時々、彼氏ができて参加しない友達がいたり、別れてしまって戻ってきたり……。
 私は、ずっと陽太くんに片想いをしてきたから、彼女たちの話を羨ましく聞くばかりだった。


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