君を愛していいのは俺だけ

「学生時代からの友達と、毎年恒例の女子会なの」
「色気ないなぁ」
「同期でクリスマス会だって、色気ないよ」
「あるもん! 滝澤さんというイケメン様がいるんだから!」
「はいはい」

 桃子ちゃんは、滝澤さんから期待通りの返事はもらえなかったようだけど、『ちょっと考えさせて。仕事のこともあるし、簡単に社内恋愛には踏み込めない』と言われたらしい。

 ポジティブな彼女らしく、彼がその気になるまで待つと決めたそうだ。
 私も桃子ちゃんみたいに強くなれたら、今頃陽太くんに想いを告げているかもしれない。


 七年も空白があったって、そんなことは吹き飛ばしてしまえるほどの魅力と心の前向きさがあったら……。


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