君を愛していいのは俺だけ

「年明けくらいには、返事を聞かせてほしいんだけどいい? 来てくれるとなれば、すぐに席は用意できるから」
「わかりました」

 にこやかに微笑んでくれる彼の近くで、日々働けるのは魅力的だ。
 きっと今よりももっと、陽太くんと顔を合わせる機会が増えるだろう。


 MDにも社長室の業務にも、それぞれ興味はある。
 だからこそ悩んでしまうし、不安もあるし……。そんな私の気持ちを分かってくれた上で、声をかけてくれた彼の期待に応えたいとも思っていて……。


 インターホンの音がして、彼がソファから腰を上げた。


「はい、周防です。……大丈夫ですよ、入れていただいて構いません」

 ケータリングが届いたと言って、彼は再び隣に座ってきた。


「なにが届くんですか?」
「出前寿司と、ピザとオードブルだよ。あとはしばらくしてからデザートも」
「豪華ですね」
「人数がいるから、頼みやすい料理ばかりになっただけだよ。酒は佐久間たちが買ってきてくれることになってる」

 だから、まだ来ないのかと納得しつつ、時計を見れば十九時半になるところだ。


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