君を愛していいのは俺だけ

 佐久間さんたちはいつ帰るんだろう。
 千駄ヶ谷の自宅は近いから、終電を気にする必要はないけれど、長々といたら陽太くんも迷惑だろうな。


「帰宅のタイミングは自由だから、いつでも大丈夫ですよ」
「はい、ありがとうございます」

 周りを見ながらお酒を飲み、途中で届けられたケーキとマカロンを食べていたら、佐久間さんが気にかけてくれた。


「みんな、終電大丈夫?」

 ひと足先に帰った社員の見送りから戻ってきた陽太くんが、未だ盛り上がっている社員たちに声をかけた。

 中には、時計を見て慌てて帰っていく女性もいたりして、時間を忘れてしまうほど楽しく過ごしていたのだろうと思った。


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