君を愛していいのは俺だけ

「仁香」

 日本庭園を眺めながらそんなことを考えていると、正面に座っている彼に呼ばれた。


「気に入ってくれたら嬉しいんだけど……これ、俺からのクリスマスプレゼント」
「えっ!?」
「びっくりした?」
「うん……すごく」

 彼がテーブル越しに渡してきたのは、綺麗なブルーの小箱。
 開けてみて、と促されて白いリボンをそっと解き、蓋を開ける。


「わぁ……綺麗」
「仁香に似合うかなと思って」

 彼が用意してくれていたプレゼントは、ひと粒ダイヤのピアスだった。

 早速着けてみると、彼は満面の笑みで私を見つめてくる。


「すごく似合ってる。かわいいよ、仁香」

 初めてもらったジュエリーにすっかりときめいてしまい、惜しみなく褒めてくれる彼の言葉に頬が緩む。
 かわいいって言われるだけで、十分プレゼントを貰えた気分でいたのにな。

 それからは、頬が落ちそうなほど美味しいイタリアンに舌鼓を打って、二十一時前に店を出た。


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