君を愛していいのは俺だけ
夜が深くなり、あと三十分もすれば日付が変わる。
フルボトルサイズのシャンパンを空けると、彼は買ってきたワインの栓も抜いた。美味しいから普段より飲めてしまうけれど、やっぱり酔いには勝てそうにない。
昼間買った綺麗なグラスに少しだけ注がれたワインは、香りだけで酔いそうだ。
「無理に飲まなくてもいいからね」
「うん……ちょっとずつにする」
「今のうちに少し酔い覚ましして、シャワーを浴びてきたら?」
「っ……うん……そうしようかな」
血流に乗って、シャンパンとワインが身体中を駆け巡っていく。
今夜はここに泊まっていくのだと意識させられたら、すっかり頭が冴えてきた。
「陽太くんは、いいの?」
「俺は、仁香の後に入るよ」
「そっか」
なにか話さないといられない。
彼以外を知らない私にとって、人生初のお泊まりになるとは、きっと彼は思っていないんだろうな。