君を愛していいのは俺だけ
意を決して、シャワーを浴びてくると言うと、彼はソファから腰を上げて案内してくれた。
今までは玄関から右に延びる廊下とその先のリビングしか知らなかったけれど、彼はキッチン横のドアを開け、私を手招いている。
てっきり玄関と繋がっていると思ったのに、全く違う景色が広がっていて迷子になりそうだ。
「ドアが多くて迷うだろうけど、直進だから」
「……うん」
廊下を進んだ先にあるドアを開け、さらに奥まで続く廊下に圧倒される。
「ここが洗面室。いる間は自由に使って。メイク道具とかもここに置いておいていいよ」
「うん、ありがとう」
ガラス張りの洗面室内は、浴室のバスタブまで透けて見える。
なんとも色っぽい内装にドキドキさせられ、荷物を胸に抱えたまま立ち尽くした。
「タオルはこれを使って」
「ありがとう」
彼はリビングにいるからと出ていったけれど、この家の間取りが想像をはるかに超えていたことに、少しの間ぼんやりしてしまった。