君を愛していいのは俺だけ
「お借りしました」
「ん。じゃあ俺も入ってくるから待ってて」
リビングに戻り、俯き気味で彼に声をかけたら、すれ違いざまに頭を撫でられてドキッとさせられた。
ひとりで飲んでいた様子で赤ワインは残り少なくなっている。
陽太くんは、相当お酒が強いらしい。この前の忘年会だって誰よりもずっと冷静だったし……。
しんと静まり返ったリビングにひとりでは、なんだかさみしい。
陽太くんは毎日寂しくないのかな。遅くまで仕事をしたり、取引先と会食があったりで、帰宅が遅いのかもしれないけれど……。
ソファから腰を上げ、煌びやかな夜景をしばらく眺めて、陽太くんが戻って来るまでの間をどうやって過ごそうかと考える。
じっとして過ごしていると、湯上がりの彼が戻ってきた後のことばかり気になって、どうにも落ち着けなかったから。