君を愛していいのは俺だけ
「つかまって。立てるか?」
「うん、大丈夫」
手を借りて立ち上がったけれど、足に力が入らなくて彼の胸に飛び込んでしまった。
「荷物、これだけあれば大丈夫なんだよね?」
頷いて答えたら、片手に荷物を纏めた彼に軽々抱き上げられて、鼓動ごと熱せられていく。
「歩けるから下ろして」
「いいから」
力が入らず掴まることもままならず、彼にしっかりと抱かれて自宅を出る。
彼の匂いを感じたら、また胸の奥がきゅんと鳴って苦しくなった。
「熱上がってきてないといいけど」
「っ……だ、大丈夫」
真っ赤に染めあがった顔を見下ろされ、私は視線を逸らした。