君を愛していいのは俺だけ
「倒れるほど疲れてたのか?」
「そんなことないよ。残業が多かったわけでもないし」
「自覚はなくても、きっと異動のことで疲れてたんだろうな……」
ごめん、と言って、彼が私の頬に触れた。
陽太くんはなにも悪くない。自覚がなかったとしても、これは私の体調管理ができていなかった結果だし、無理して飲みに出たから倒れて、心配をかけてしまったのだから。
「陽太くんのせいじゃないよ」
「経営者として言ってるの。こんなにそばにいるのに、気付いてやれなかったんだから……。俺にもっと甘えて。仁香が元気になるなら、どんなことでもするよ」
「平気だよ、ただの風邪だもん」
ふたりきりの処置室で見つめられると、鼓動が急く。
だけど、いつになく悲しそうな彼を見ていたら、私まで切なくなってしまって。