君を愛していいのは俺だけ
彼が住むマンションに着いて、車から降りて歩き出そうとしたら、またしても抱き上げられてしまった。
「もう大丈夫だよ」
「ダメ。治るまでは俺の言うことを聞きなさい」
洗練されたマンションのロビーを通過し、エレベーターに乗っている間も、ずっと横抱きにされたまま。
彼の自宅に入って、半開だった寝室のドアを開けた彼は、ベッドでようやく私を下ろした。
「シャワーを浴びたいだろうけど、今日は我慢だからな」
「うん」
発熱で汗もかいたし、一日働いた上に飲みに出たから入りたいけど、この体調ではそうもいかない。
点滴が効いてきて随分楽になったばかりだし、ここで無理をしたら余計に迷惑をかけてしまうだろう。
「ゆっくりしてて」
「ありがとう」
彼は私のコートを預かり、寝室を出て行った。