君を愛していいのは俺だけ
「よし、寝ようか」
二十分ほど経つと、寝支度を済ませた彼が隣に入り、頬杖を突いて優しいまなざしで見つめてくる。
「陽太くん、枕変えたの?」
私の問いかけに小さく頷いて答えた彼は、マスクに引っかかった私の髪をそっと直してくれた。
「この方が、近くで眠れると思ったから」
「前だって、十分近かったよ」
「仁香を全身で感じられるくらいの近さにしたかったの」
私の手をそっと握ってくる彼の温もりが、今日は熱のせいであまり感じられない。
「ドライブは、また今度にしよう。今週はゆっくりここで過ごして」
「陽太くんは?」
私が体調を崩したからといって、彼の予定まで合わせなくてもいい。
どこかの買い物に出たっていいし、仕事があるならそれでも……。