君を愛していいのは俺だけ
「俺が、なに?」
「なにをするのか決めたのかなと思って」
彼は目元を細めて微笑むと、マスクで覆われた私の頬に触れた。
「決めてあるよ。仁香の看病」
「私のことはいいよ。寝てれば治るでしょ?」
「仁香が元気になるまで、つきっきりで看病するって決めたんだよ」
髪を撫で、甘やかしてくれる彼の瞳に吸い込まれそうだ。
アンバーまで暗くされた照明を受け、星が入ったように煌めいていて……。
「なんで今夜に限って、見つめてくるんだよ」
「っ!?」
無意識のうちに彼と見つめ合っていたら、不意を突いた彼がマスク越しにキスをしてきた。
「早く治して。キスもできないなんて耐えられない」
やんわりと抱きしめられて、鼓動が高鳴る。
私が彼を見つめられるようになったら、一線を超えると宣言されていたのを忘れていたと、彼の腕の中で思いだした。