君を愛していいのは俺だけ

「……キスしてくれたら信じてあげる」
「今!?」
「もちろん」

 隣に座ってきた彼は、背もたれにゆったりと上体を預けた。


 会社でキスをするという突然の出来事に戸惑いながら声をかけるけど、彼は返事をするだけ。
 見つめることさえ、まだ上手くできないのに……自分からキスなんてできるはずもない。


「バレンタインの時だって、ここでキスしたじゃん」
「そ、そうだけど」

 あれは、陽太くんが不意を突いてきたからで……。


「わかったよ、仁香のかわいさには完敗」
「っ!?」

 またしても不意を突いて唇を重ねた彼は、にこっと笑みを浮かべた。

 鼓動がうるさいくらいに鳴って、元の速さを忘れてしまいそうだ。


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