君を愛していいのは俺だけ

 ダイニングテーブルで向かい合って食事をする間、仕事の話や今日の出来事、明日のデートのことを話していたら、彼はあっという間に作ったおかずを食べきってくれた。

 なにを作っても美味しいと褒めてくれるし、ずっと微笑みを絶やさずに楽しそうにしてくれるこの時間が大好きだ。


「ワインでも飲む?」
「チーズ、買ってきたの。あまり詳しくないから、店員さんにワインに合うものって言って選んでもらったんだけど」
「ありがとう。仁香はソファで待ってて」

 後片付けを済ませたところで、彼がワインセラーから赤ワインのボトルを出している。
 Yシャツの袖をまくって、チーズナイフを握る彼の姿をソファから眺めていると、ふと目が合って思わず逸らした。


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