君を愛していいのは俺だけ

 空になったグラスが差し出され、注ぎ足そうとボトルに指をかける。


「仁香のグラスと一緒に、テーブルに置いて」

 ギュッと抱きしめられて身体ごと小さく跳ねる。その反動でワインが揺れた。
 綺麗で華奢なグラスを落とさないようにそっと置いたら、彼の唇が首筋に触れ、やわらかな感触に鼓動が昂っていく。


「ねぇ、仁香……好きだよ」

 彼の想いは、何度聞かされてもドキドキする。
 首にキスをされるたびに、その音を聞かされるのが恥ずかしくて、じわじわと身体が火照る。


「んっ……」

 声にならない甘い吐息を漏らしたら、耳たぶを甘噛みされて身体を捩った。

 ワインの香りを纏った彼の吐息が耳から入ってきて、身体中を侵食していくよう。
 頭に響くキスの音に酔いしれていたら、後ろにいた彼に抱き上げられてしまった。


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