君を愛していいのは俺だけ



「仁香、手出して」

 帰宅して食事と寝支度を済ませ、彼女を背中から抱きしめ、今夜もひとつのベッドで横になる。
 華奢な身体に腕を巻きつけ、俺よりずっと小さい手を握った。


「なぁに?」
「ん? なんでもないよ」

 彼女の指に触れ、だいたいどれくらいのサイズなのかを確認する。
 プロポーズまであと数日しかないから、明日あたり買いに行っておこう。

 仁香が好きなのは、シンプルなデザイン。
 クリスマスにひと粒ダイヤのピアスを選んだのも、好みを知っていたから。

 いつも美味しい食事を作ってくれて、俺を抱きしめてくれるこの手に似合うものを見つけられたらいいな。


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