君を愛していいのは俺だけ
「どうぞ」
「失礼します」
ガラス張りの執務室は、デスクチェアやソファに座った時に、ちょうど顔が見える位置がすりガラスになっていて、中のプライバシーが保たれている。
でも、やっぱり緊張しちゃうな……ふたりきりには慣れない。
「早速だけど、話って?」
促されて、コーナーソファに腰かけた。
初めて来た日も同じように座ったのを思い出し、あの時はお見合いのことを謝りに来たんだったと振り返る。
SUNRISERに入社してからというもの、片想いを続けてきた約七年が、一気に動き出したような感覚がしていた。
ずっと、このままじゃいられないから。
心に決めたことを、言葉にして伝えるだけ。
それだけなのに、どうしようもなく緊張が強くて、手が震えてしまいそうだ。
好きで好きで仕方なかった、陽太くんと再会していたとしたら――。