イジワル騎士団長の傲慢な求愛
「やはりそれが本性か、お転婆娘」
「お転婆なんてもうしません! これからは立派な女性として――」
「女性というのは、お前の姉のように色気のある女を言うんだ」
「な、なんですって!?」
咄嗟にルーファスの胸をポカリと叩いたら、その手を捕まえた彼がしてやったりとニヤついた。
「そうやって素直にしていればいい。無理して女らしくなろうなどと考えるな」
「なんでそんなこと言われなきゃならないの!」
「その方がお前は魅力的だからだ。世の女すべてが同じではつまらないだろ」
顔を目の前にして近い距離で囁かれ、なぜだかセシルの心は大きく疼く。
くるくると意地悪に変わるルーファスの表情に魅せられてしまう。
どうしてこんなにも目が離せなくなってしまうのだろうと、セシルの心は乱されていく。
この男には、見るものを魅了する華々しさがある。
ムッと頬を膨らませていると、ルーファスはふと声のトーンを落として言った。
「安心しろ。真実を知っても、婚約を破棄になどしない」
ルーファスの顔がどことなく物悲しそうに歪んだ。
「……お前さえ、それを望むのなら……」
どこか影を含んだ、消え入るような声。
目を瞬かせもう一度見たときには、いつもの気高いルーファスの横顔に戻ってしまっていた。
そこへ客間の扉が開く音がして、遠くにルシウスの姿が見えた。
ルシウスはキョロキョロと辺りを見回して、隣の部屋のルーファスに気がつくと、声を張り上げた。
「お転婆なんてもうしません! これからは立派な女性として――」
「女性というのは、お前の姉のように色気のある女を言うんだ」
「な、なんですって!?」
咄嗟にルーファスの胸をポカリと叩いたら、その手を捕まえた彼がしてやったりとニヤついた。
「そうやって素直にしていればいい。無理して女らしくなろうなどと考えるな」
「なんでそんなこと言われなきゃならないの!」
「その方がお前は魅力的だからだ。世の女すべてが同じではつまらないだろ」
顔を目の前にして近い距離で囁かれ、なぜだかセシルの心は大きく疼く。
くるくると意地悪に変わるルーファスの表情に魅せられてしまう。
どうしてこんなにも目が離せなくなってしまうのだろうと、セシルの心は乱されていく。
この男には、見るものを魅了する華々しさがある。
ムッと頬を膨らませていると、ルーファスはふと声のトーンを落として言った。
「安心しろ。真実を知っても、婚約を破棄になどしない」
ルーファスの顔がどことなく物悲しそうに歪んだ。
「……お前さえ、それを望むのなら……」
どこか影を含んだ、消え入るような声。
目を瞬かせもう一度見たときには、いつもの気高いルーファスの横顔に戻ってしまっていた。
そこへ客間の扉が開く音がして、遠くにルシウスの姿が見えた。
ルシウスはキョロキョロと辺りを見回して、隣の部屋のルーファスに気がつくと、声を張り上げた。