イジワル騎士団長の傲慢な求愛
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素顔を隠した男女を引き導く誘惑の音色。
普段はけっして表に見せない、情愛という名の一夜のペルソナ。
今宵再び、仮面舞踏会が幕を開ける。
ひとときの欲望に溺れ、己の身を焼き尽くすのは誰か――
その重なり合う手のひらも、律動を刻む爪先も
交わる吐息も、絡まり合う視線も。
そのひとつひとつが、この身を滅ぼす為の罠――
「……セシル」
舞踏会場で待っていてくれた愛しの君は、仮面の下で柔らかく微笑みながら、セシルの名を口にした。
ロイヤルブルーの燕尾服に包まれた少し線の細い体。声は低いけれど、どこか透き通っていて、涼やかだ。
今なら彼が誰なのか、セシルにもわかる。
素顔を隠した男女を引き導く誘惑の音色。
普段はけっして表に見せない、情愛という名の一夜のペルソナ。
今宵再び、仮面舞踏会が幕を開ける。
ひとときの欲望に溺れ、己の身を焼き尽くすのは誰か――
その重なり合う手のひらも、律動を刻む爪先も
交わる吐息も、絡まり合う視線も。
そのひとつひとつが、この身を滅ぼす為の罠――
「……セシル」
舞踏会場で待っていてくれた愛しの君は、仮面の下で柔らかく微笑みながら、セシルの名を口にした。
ロイヤルブルーの燕尾服に包まれた少し線の細い体。声は低いけれど、どこか透き通っていて、涼やかだ。
今なら彼が誰なのか、セシルにもわかる。