【完】溺愛飛散注意報-貴方に溺れたい-
がらがらっ
ノートを埋める事に没頭していた私は、そのドアの開く音に気付かなかった。
というよりも、自分が教室に一人になっていた事にも気付いていなかったんだ。
「…あ、薫せんぱい?」
気配を感じてそう言いながら振り返ると、そこには全く知らない人が3人立っていた。
「え、と…?」
「あんたが、前原未麻さん?」
「え、あ、はい…そうですけど…?」
「へぇ?近くで見ると超可愛いじゃん。寺門にゃ勿体ねぇなぁ?」
「…あの…?」
「あのさ、オレ達、寺門からあんたのこと教室まで連れて来てくれって頼まれてんのよ。つーわけで、一緒に来てくれる?」