【完】溺愛飛散注意報-貴方に溺れたい-

ぐいっ


いきなり手をぎゅうぎゅうと引っ張り上げられて、痛みに顔をしかめた。

これじゃあ、机から立とうにも上手く立てそうにない。



「あの、離して…っ」

「おっと、だめでしょー?逃げちゃー?」



がたんっ


3人の内の1人が、私の机を蹴った
その大きな音に、足が竦む。


力付くで立たされた私は、3人の間に囲まれてしまい逃げ場を失くした。



怖い、怖い、怖い…っ。


相変わらず、縛られているみたいにギリッと掴まれた手首は痛みで熱を孕んできていた。


そして、徐々に痺れて感覚を失っていく。


「おら、来いよ」


今まで黙ったまま最後の1人が容赦なくそう言って、私の体をドアの方へと押しやった。


私は、怖いのと悔しいのと、訳の分からない理不尽さで、目頭が熱くなるのを感じる。



薫せんぱい…っ。



心が、そう叫んだ時…。


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