【完】溺愛飛散注意報-貴方に溺れたい-
そんな私に向けて薫せんぱいは声を掛けてくる。
「…未麻…」
「……」
「…怒ってんのか?」
「………」
「未麻」
何処となく縋るように名前を囁かれて、私は漸く口を開いた。
纏まらない気持ちを押し出すようにして。
「違います…私…苦しくて…」
「…大丈夫だ。こんな傷、大した事ねぇよ」
「そう、じゃなくて…」
「んな、泣きそうな顔すんな…どうしていいか分かんなくなる」
「だって…だって、せんぱい…口唇の他にも絶対に怪我してるのに…」
ぎゅうっと自分の制服の胸の辺りを握り締めて、そう呟くと薫せんぱいは今度こそ心底驚いたような顔をした。
「っ!なんで、分かった…あ…」
「やっぱり…」
その言葉尻に、失敗した、と後悔の色が含まれた事に、私はとても腹が立って…恨めしそうに薫せんぱいを睨んだ。
そんな私に、薫せんぱいは頭をガシガシっと掻いて、罰が悪そうに言い訳をしてくる。
「わりぃ。約束破った事は、謝る…けど、俺は…お前を傷付ける奴は一人だって許せねぇんだよ……」
「でも…」
「お前の事は誰にも渡せねぇ…それくらい、大事なんだよ…」
「…なん、で…?」
「……それは…」
「…未麻…」
「……」
「…怒ってんのか?」
「………」
「未麻」
何処となく縋るように名前を囁かれて、私は漸く口を開いた。
纏まらない気持ちを押し出すようにして。
「違います…私…苦しくて…」
「…大丈夫だ。こんな傷、大した事ねぇよ」
「そう、じゃなくて…」
「んな、泣きそうな顔すんな…どうしていいか分かんなくなる」
「だって…だって、せんぱい…口唇の他にも絶対に怪我してるのに…」
ぎゅうっと自分の制服の胸の辺りを握り締めて、そう呟くと薫せんぱいは今度こそ心底驚いたような顔をした。
「っ!なんで、分かった…あ…」
「やっぱり…」
その言葉尻に、失敗した、と後悔の色が含まれた事に、私はとても腹が立って…恨めしそうに薫せんぱいを睨んだ。
そんな私に、薫せんぱいは頭をガシガシっと掻いて、罰が悪そうに言い訳をしてくる。
「わりぃ。約束破った事は、謝る…けど、俺は…お前を傷付ける奴は一人だって許せねぇんだよ……」
「でも…」
「お前の事は誰にも渡せねぇ…それくらい、大事なんだよ…」
「…なん、で…?」
「……それは…」