【完】溺愛飛散注意報-貴方に溺れたい-
「そいつは関係ねぇだろ!放しやがれ!汚ねぇ手で触ってんじゃねぇよ!」
「まぁだ、そんな威勢のいいこと言えんだ?へぇ?彼女の前では格好つけたいってか?寺門、お前も男だなぁ?」
「ちっ!くそっ!未麻になんかしてみろ!てめぇら八つ裂きにしてやる!!」
がっ
そう言って、せんぱいがさっき自分に蹴りを入れてきた人に、大きな音を立てて殴りつけた。
そこで、残った数人がせんぱいを囲むようにして、殴る蹴るを始めていく。
私は最悪の事態を想像して、ガクガクと震えた。
それを面白そうに上から眺めてくる男は、またもや品のない笑みを溢して、
「未麻ちゃんは本当に寺門が好きなんだねぇ?…気が変わったわ、寺門をどうこうする前に、あんたのこと汚してやるよ」
と言って、私の方へと顔を近づけてくる。
「いやっ」
「そんなに、嫌がるなって。傷付けちゃうかもよぉ?」
「っ!!」
両手をいとも容易く拘束され、私はじりじりと距離を詰められる。
私は、あまりのことにぎゅうっと目を閉じた。
それでも、せんぱいがこれ以上傷つかないのならと、諦めた瞬間。