過保護なドクターととろ甘同居
「何も聞かないのか?」
眼下にある先生の腕に鼓動を高鳴らせながら、聞きたいことはたくさんあることに気が付いた。
でも、頭の中で整理がつかない。
それでも一番言いたいたことだけは浮かんできて、静かに口を開いた。
「もう……ちゃんと吹っ切れましたので」
先生がまだ、私が前の恋愛を引きずっていると思ってこんな風に色々してくれているのなら、もうそれは必要ないとちゃんと伝えたかった。
もう、偽りなく過去にできている。
「なので、もう、気遣いは」
「気遣ったつもりは一度もない」
私の言葉を否定でもするような言い方で、先生は食い気味に言い放つ。
それでもその声はいつもと変わらぬ落ち着きを保っていて、黙って耳を傾けた。
「自分のそばに置いておきたいと思ったのも、前の男を忘れさせようと思ったのも、俺がお前を欲しかったからだ」