過保護なドクターととろ甘同居
囁くような静かな声が告げたのは、聞き間違いかと疑うような信じられない言葉だった。
窓の外に向けている視線が急に定まらなくなる。
黙ったままでいる私を、先生は自分へと振り向かせた。
「先生が……私なんかのこと」
「なんかって何だ」
「だって、なんかですよ……」
もう何をどう言ったらいいのかわからないくらい混乱している。
嬉しさと困惑の狭間で揺れ動く私へと、先生はそっと触れる。
大きな手が頬を包み込んで、見上げるようにして顔を上げた。
「その“なんか”が、俺は欲しいって言ってるんだ」
仕方なさそうに笑って、先生は私へと顔を近付ける。
触れるだけのキスをして私の顔を確かめると、今度は深い口付けを落とした。