過保護なドクターととろ甘同居
「パパー、抱っこー!」
両手を上げて抱っこをせがみに行った娘は、まだ先生の膝上辺りまでしか背丈がない。
駆けてきた小さな体を、簡単にその腕の中で抱き上げるその光景に自然と笑みがこぼれた。
時は流れ、初めての出産から三年近くが経った。
耐え難い陣痛と、股から体が真っ二つをちぎれるのではないかという痛みの先には、ずっと会いたかったお腹の中の子がいた。
涙の先に見た、自分の子を取り上げた先生の嬉しそうな顔は、今も鮮明に覚えている。
感動的な出産を経て、私もお母さんになった。
娘の陽美(ひなみ)は、驚くほど手のかからない赤ちゃんだった。
とにかくよく寝てくれて、泣くのはお腹が空いたときとお尻が気持ち悪くなったときくらい。
なんとも親孝行の乳児期を送ってくれた。