過保護なドクターととろ甘同居


「ママ、もうすぐ赤ちゃんが産まれるかもしれないね」


女の子はそう声を掛けた私の顔を見ると、黙ったまま『うん』と頷く。


「ママと赤ちゃん、頑張るの応援してあげようね」


もう一度頷いた女の子ににこりと微笑んだ時、「破水してますね」という先生の声がした。


「お腹の痛みも、弱い陣痛が始まってるからですね。子宮口も開いてるし、このまま入院しましょう、今日中に生まれると思いますよ」


診察台の向こうから姿を現した先生は、グローブを外しながら「入院の手続き」と、一言私へ指示を出す。

木之本さんがタイミングよくやって来てくれて、女の子の付き添いをバトンタッチしてくれた。


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