過保護なドクターととろ甘同居
先生の隣にお邪魔し、いただいた大人のお酒は、予想を遥かに超えて喉にくる濃さだった。
鼻にツンと抜ける感じと、お酒が流れていく部分が熱くなるような感覚。
もっと慎重に口に含めば良かったと、一口目にしていきなり失敗した。
こんなキツいお酒を平然と口にしている先生が信じられない。
相当お酒に強くないと成せない技だ。
「大丈夫か?」
「えっ」
「いや、すごい顔してるから」
どうやらモロ顔に出ていたらしい。
いただいておいて失礼なこと極まりない。
「大丈夫です」とへらりと笑って誤魔化してみるけど、喉の熱さは治らない。
「こういう大人なお酒は、飲んだことなくて……」
そう話しながら、前の家でのことをふと思い出した。
俊くんと同棲していた頃は、冷蔵庫にはいつも発泡酒が常備されていた。
そんなどうでもいいことを思い返して、この間の出来事を思い出していた。
じっくり話す時間をなかなか見つけられなくて、先生にあの時のお礼を言いそびれていた。
私がここで雇ってもらっていなければ、先生は俊くんの相手の診察を断ったりしなかったはずだ。