過保護なドクターととろ甘同居


そんな会話で話が弾んでいると、スタッフルームの扉が外からノックされる。

木之本さんが返事をすると、開いたドアから先生が顔を出した。


「ずいぶん楽しそうだな」


入ってきた先生は私たちを見てフッと笑う。

「一体、何の話でそんなに盛り上がってるんだ?」なんて言われて、内心ギクリとしてしまった。

宮城さんがどこか楽しそうに「先生には内緒ですよ」と上手いこと交わしてくれる。

先生は私たちがお昼を食べるテーブルまでやってくると、さっき滝瀬さんが受付けで渡してきた紙袋を丸ごと置いた。


「これ、さっき滝瀬さんが持ってきてくれたもの。みんなでいただいて」


すると、宮城さんは「滝瀬さんって、あの」と先生にきく。

先生は「そう」とだけ答えて、ドアに向かっていった。


あの、って?


去っていく先生に二人が「ありがとうございます」と言うのを聞いて、慌てて同じくお礼を口にした。

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