MAZE ~迷路~
時計で時間を確認してから、智は敦の携帯を鳴らした。
美波との一件で、敦が電話に出ない可能性もあったが、とりあえず智は、敦の携帯を鳴らし続けた。
『なんだ、智。』
敦は、すこし不機嫌な声音で電話に答えた。
「訊きたい事があるんだ。」
智が言うと、敦は黙って続く言葉を待った。
「お前が処分した事件の資料。美波の家の周りだけだって言ったよな?」
『ああ。でも、他にも処分してる奴が居た事は事実だ。ずいぶんと雑誌なんかも買占めにあってたから。でも、何で今頃そんな事を聞くんだ?』
訝しげな敦の声に、智はどこまで話したものか悩んでしまった。
「ちょっと調べたい事があるんだ。ありがとう。」
智はそれだけ言うと、電話を切ろうとした。
『美波と話したか?』
敦の言葉に、智は一瞬、言葉を失った。
「いや、まだ、話してない。」
なんとか答えると、智はため息をついた。
『このままで良いのか?』
敦の言葉は穏やかだったが、智は冷たい刃物のような鋭さを感じた。
「明日にでも電話する。今は、まだ冷静に話し合える自信がない。」
正直に智が言うと、敦は『わかった』とだけ答えた。
「ありがとう。おやすみ。」
智は言うと、電話を切った。
(・・・・・・・・明日、図書館に行って調べてみよう・・・・・・・・)
智は決心すると、バスタブにお湯をはり始めた。
あの一件の後、美波の家でお風呂は借りたが、ゆっくりと寛ぐ事は出来なかった。
(・・・・・・・・とにかく気分を落ち着けて、調べる事を調べて、それから美波に電話しよう。もし、電話に出てくれなかったら、家まで行けばいい・・・・・・・・)
智は考えると、リラックスするためにお風呂に入った。
美波との一件で、敦が電話に出ない可能性もあったが、とりあえず智は、敦の携帯を鳴らし続けた。
『なんだ、智。』
敦は、すこし不機嫌な声音で電話に答えた。
「訊きたい事があるんだ。」
智が言うと、敦は黙って続く言葉を待った。
「お前が処分した事件の資料。美波の家の周りだけだって言ったよな?」
『ああ。でも、他にも処分してる奴が居た事は事実だ。ずいぶんと雑誌なんかも買占めにあってたから。でも、何で今頃そんな事を聞くんだ?』
訝しげな敦の声に、智はどこまで話したものか悩んでしまった。
「ちょっと調べたい事があるんだ。ありがとう。」
智はそれだけ言うと、電話を切ろうとした。
『美波と話したか?』
敦の言葉に、智は一瞬、言葉を失った。
「いや、まだ、話してない。」
なんとか答えると、智はため息をついた。
『このままで良いのか?』
敦の言葉は穏やかだったが、智は冷たい刃物のような鋭さを感じた。
「明日にでも電話する。今は、まだ冷静に話し合える自信がない。」
正直に智が言うと、敦は『わかった』とだけ答えた。
「ありがとう。おやすみ。」
智は言うと、電話を切った。
(・・・・・・・・明日、図書館に行って調べてみよう・・・・・・・・)
智は決心すると、バスタブにお湯をはり始めた。
あの一件の後、美波の家でお風呂は借りたが、ゆっくりと寛ぐ事は出来なかった。
(・・・・・・・・とにかく気分を落ち着けて、調べる事を調べて、それから美波に電話しよう。もし、電話に出てくれなかったら、家まで行けばいい・・・・・・・・)
智は考えると、リラックスするためにお風呂に入った。