クールな王太子の新妻への溺愛誓約
◇◇◇
翌朝クレアが目覚めた時、レオンの姿はすでになかった。だが、彼が座っていたところと彼女の手には、まだその温もりが残っていた。おそらくクレアが目覚める直前まで、そばにいてくれたのだろう。
ゆっくりと幕が下りるように眠りにつく時の、幸せな感覚は胸にしっかりと残っていた。
それをしっかりと温めるように胸に手を当てていると、コンコンコンコンと四回、ためらいがちに部屋のドアをノックする音が聞こえてきた。きっとベティだろう。
ベッドからそろりと下りてクレアがドアまで向かうと、ドアノブを掴む寸でのところで、そーっと扉が開く。そして、中を窺うようなベティの片目がその隙間から見えた。
「――ひゃあ!」
クレアと目の合ったベティが悲鳴を上げる。
驚かせるつもりのなかったクレアも、その声には驚いて一歩後退した。
「ク、クレア様! びっくりさせないでください!」
胸を撫で下ろしながら、肩で大きく息を吐いたベティ。
クレアは、「それはこっちのセリフよ」とクスクス笑った。