クールな王太子の新妻への溺愛誓約
クレアがドアを開け放つと、視線をあちらこちらに彷徨わせながらベティが中へと入る。
「……レオン殿下は?」
「もういないわ。私が目を開けた時にはいなかったの」
「そうでございましたか」
そう言いながら、ベティはクレアの体を撫で回すように見て、それからベッドを執拗にチェックする。ふたりで寝たことによる乱れがあるかどうかを確認しているのだろう。
「ベティが今思っているようなことはしていないから」
昨夜のベティの様子では、レオンのことを完全に信頼しきっているように見えたが、それでも心配だったのかもしれない。
「……大変失礼いたしました」
ベティは笑顔で取り繕い、何事もなかったかのように手を前で自然に組んで立った。
「ところで、これからは“クレア様”とお呼びしてもよろしいのですよね……?」